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ビジネスにおいて最低限必要なコミュニケーションの取り方を指南する入門サイトです

【第1章】心構え

コミュニケーション効果を上げる前提

 


世の中にあるほとんどの企業が、社員にスムーズなコミュニケーション力を求めています。
社員も、共に働く仲間たちや関わるお客様方と、滞りのない、お互いに気持ちの良いコミュニケーションを取って、仕事を充実させたいと思っているでしょう。

ビジネス上のコミュニケーションには、誰もが経験しがちな壁があるようです。
しかし、その壁の存在に、誰もが、いつも気付いているというわけではないようです。
「できているつもり」のコミュニケーションで、切り抜けていることもあるからです。

なぜ、わかってもらえないのだろう。
なぜ、うまくいかなかったのだろう。
なぜ、スムーズに進まないのだろう。

その壁の存在に気付く機会に出会ったら、ぜひ、チャンスと捉えてください。
何より、そのことに気付くことこそ、自分のコミュニケーション力の向上の兆しなのです。
コミュニケーションの力をグッと引き上げることに繋がるでしょう。

コミュニケーションに悩みを抱えるとき、足りないものは、ほんの少しのコミュニケーションのコツなのかもしれません。誤解も停滞も、失敗も不安も、心の芯で理解したコミュニケーションのコツを意識することで回避や緩和できることがたくさんあります。

もちろん、人の個性は千差万別。相手に合わせた対応も当然、必要になってくるでしょう。
すべての人に有効となる万能な型が存在しているわけではありません。

相手への対応のコツの前に、まずは、自分の思考や心を探ることから始めてみましょう。
良いコミュニケーションに繋がるポイントが見つかるかもしれません。
一つだけ揺るがない型があるとすれば、コミュニケーション時の自分側のマインドセットです。

本当のコミュニケーション力をテストで測ることはできません。
コミュニケーション力を測れるのは現実の相手、いつも相手ありきの本番です。

失敗をしながら、苦い経験を重ねることで学んでいくものかもしれません。
しかし、ネガティブな経験をする前に、きっとできることがあるはずです。

そのコツを知りたい人はもちろん、分かっているつもりの人にとっても確認の場になれば幸いです。



■ 自分についての先入観、相手に対する先入観

先入観があると本来のコミュニケーションが取りにくくなります。
思い込み、偏見、固定観念、バイアスなどのきっかけになるとも言われています。

先入観とは、自分が持っている間違った知識や認識のことです。
新人は仕事ができない、上司は怖い、女性(男性)は〜するものだという事前のレッテルを張ること。

○○さんは優しい、○○さんはしっかり者などポジティブなことも含まれます。
自分のことについても誰もが先入観を持っていると言われます。
○○が苦手、仕事が遅い、失敗ばかり、できない、など思い当たることがありませんか?


■ 先入観があると何が起こる?

先入観があると、その瞬間の相手の真意や本質、ありのままの姿を見逃す可能性が高くなります。
先入観が高い壁になって立ちはだかり、その先にある本当の部分が見えないからです。
十分に見たり聞いたりする前に、すでにある自分の先入観で答えを出してしまいがちです。

聞いた相手の言葉すら、正しく受け取れず、違う意味で捉えることも出てきます。
このことは、相手と意思疎通をしていく中で、摩擦の機会を増やすでしょう。
先入観は、とても大きなパワーを持っている(持ってしまう)ものなのです。


■ 先入観を消すのは難しい

先入観は、私たち個人の受け止め方と心の習慣で作り上げられていきます。自分の持っている先入観には、自分についてのことも、相手に対するものも、気付きにくいのだそうです。

毎日毎日、その習慣を無意識にも続けているのですから、いきなり「先入観を持たずに」ものごとを見たり、捉えたりというのは、いくらそうしようと思っても難しいものです。

たとえ、先入観なしで見ていると思っていても、知らずのうちに先入観が入ってしまうことすらあるほどです。


■ 気付いていれば緩和され習慣にできる

コミュニケーションに不都合が出てるのは分かっていても、先入観を排除するのは難しい。
自分の先入観に気付くことがベストなのですが、元々気付きにくいので、明確にすることも難しい。

では、先入観はどうコントロールすればいいのでしょうか。

先入観は常にあるものと捉えて意識することです。
「これって、もしかして先入観かな?」
これが、先入観の影響を最小限にする対策と言えるでしょう。

★ 状況を客観視すること
先入観がつきものとなる自分の考えや感情をいれずに、ものごとを見る意識をしてみましょう。
私たちは、自分の意見を正しいと思いたい生き物で、いつもその主観で動きがちなのです。
それを外して、見聞きするものをそのまま受け止めることを習慣にしてみましょう。

自分に一番近い自己の感情や考えから少し離れた、高い位置からズームアウトするようにものごとを見て(俯瞰)みましょう。客観視が促されます。
何ごとも、その視点で判断するように心掛けると、有効な先入観防御策になるでしょう。


★ 自分の意見や感情に疑問を持つこと
先入観の始まりは「情報の鵜呑み」です。
何ごとも「本当かな」「事実かな」「合っているかな」と疑問視してみましょう。
外から入る情報に対しての疑問視はビジネスパーソンとして大切なことです。

コミュニケーションでは、相手の言葉や態度に対する自分の考えや感情を疑問視することが特に有効。疑ってかかるということではなく、先入観を助長させないための防御策なのです。

自分の先入観は気付きにくいものだということを心に留めておきましょう。



■ 言葉は習慣になる

毎日、何らかの言葉を発してコミュニケーションを取りますよね。
誰にでも口グセがあるものです。 感情を表す言葉、ものごとを表現する言葉、話始めや言葉の繋ぎにクセがある人もいるでしょう。

日々発している言葉は、強力なパワーを持っています。
ものごとの捉え方が言葉になり、その言葉が口グセとして定着します。
言葉で自分のイメージや運命をも左右すると言っても過言ではありません。

ネガティブ、否定、反感な言葉が口癖になっていないか振り返ってみましょう。


■ 相手の聞きたいことを発信

疲れた、忙しい、むかつく、つまんないなどをよく発している人が周りにいませんか?

疲れたが口癖の人はいつも疲れています。疲れていなかったとしても、そう見えます。
その人の発する言葉が、その人のイメージを作り上げているのです。他の言葉でも同じです。

疲れたという言葉を聞いて、あなたはどのような気持ちになりますか?
心配、同情などがあったとしても、あなたにとってプラスになることはないでしょう。
自分にもその「疲れた」が、飛び火することすら考えられますよね。

自分の言葉を聞いた相手の気持ちを考えることが大切です。
自分の言葉に責任を持って、相手にとって聞き心地のいい言葉を発する人を目指しましょう。
もちろん自分の気持ちや意見を表現するときだけではありません。

相手との会話でも、相手はどんな言葉を聞きたいかな?相手にとってプラスになるかな?と考え、ポジティブなコミュニケーションに繋がる発信を心掛けましょう。


■ 自分の聞き心地も意識する

言葉の影響力は相手だけに留まりません。
自分の発した言葉は、自分もしっかり聞いています。
口グセを助長するだけでなく、本当にその状態を作りやすいのです。

ですから、意識していい言葉を選んで使って、その言葉を習慣にしましょう。
周りが受け取るイメージも良くなります。
その口グセを年中聞いている自分もポジティブになっていくでしょう。

その状態で取るコミュニケーションは、きっと心地よいものになるでしょう。
無理やり?と抵抗を感じる人がいるかもしれません。
しかし、ネガティブな言葉の影響を広げるよりも、ずっとずっと生産的ではないでしょうか。

繰り返して自分に根付いた分だけ、影響力は大きくなっていくものです。
ネガティブでもポジティブでも実感するときが必ずあるものです。
ぜひ、ポジティブな言葉の恩恵を実感する毎日を送りましょう。

あなたにとってエネルギーの湧く言葉はどんなものですか?



■ 誰もが役割を持っている

ビジネスシーンでは、ひとりひとりが役割を持ち、その責任を果たしたいと思っています。
このことを意識していないと、自分の仕事や時間の都合だけで、相手にコミュニケーションを押し付けてしまうことが増えます。いわゆる自己中心的な考えや行動を取りがちになるのです。

仕事をしているのは、自分だけではないですし、自分より重責を担っている人もいます。
仕事を滞りなく進めていきたいのはみんな同じなのです。


■ 相手の状況に配慮

意見を聞きたい、相談したい、手を貸してほしいというときには、相手の状況に最大限の配慮をする必要があります。お客様など外部の人を訪問するときや商談という接点であれば、なおさらでしょう。

始めから遠慮することとは少し異なります。
遠慮し過ぎてタイミングを逃すことは、良いコミュニケーションとは言えません。
遠慮すべきかどうかは、相手の状況を見たり、打診したりのあとで判断すればいいのです。

ひとつのやり方にこだわらないことも、相手への配慮に繋がるでしょう。
直接、面と向かっての話が必要か、メールやメモで可能か、相手の都合の良い時間に合わせられるかなど選択肢はたくさんあるものです。
打診すれば、相手にとって都合の良い理想案が得られるでしょう。


■ 時間をもらうという意識

聞いたり聞かれたり、頼んだり頼まれたり、組織の中では、頻繁にあることです。
良い対応方法を、コミュニケーションの中で磨いていく意識も大切です。

誰もが24時間働くわけにはいません。
限られた業務時間を、有意義に効率的に使いたいと思っています。
そのために、計画やスケジュールを立てて行動しているものです。

質問や依頼をするとき、相手の時間の中に、自分と関わる時間を取り入れてもらっているのです。 貴重な時間を共有してもらっていることの意識は欠かせません。


■ 相手の時間を奪わない

仕事でのコミュニケーションは、簡潔に短くすることを心掛けます。
たとえ、そのタイミングが相手にとって都合の良い時であっても、長くなれば台無しです。
相手のスケジュールを邪魔してしまう可能性が高くなります。

所要時間も短くする心掛けが大切です。準備してから時間をもらうようにしましょう。

★ メインポイントから伝える
まず結論や主旨を伝えることで、相手がその先の質問、意向や行動を決めやすくなります。

★ 要点を絞って話す
考えていないと余計なことが入りがち。要点が絞られていると相手も理解しやすくなります。

★ 質問は一回に一つ
相手にとっては答えやすく、自分にとっては相手の答えを正確に受け取りやすくなります。

★ シミュレーションをしておく
都合を打診するときからシミュレーションは役立ちます。代替え案を考えておきます。
また、質問されそうなことに対する資料や答えの準備も可能になるでしょう。

★ 自分の意見や考えも用意
伝える、伝えないに関わらず、自分の意見や考えを用意するのは、相手の思考をシミュレーションすることにもなります。質問や相談の丸投げでは相手が考えにくいこともあります。

★ 具体的な答えをもらう
回答や指示は具体的に聞きましょう。具体的にどんな情報が自分に必要なのかをあらかじめ考え、メモにピックアップしておくと聞き出しがスムーズです。
あとで再度聞かなければならないということが減らせるでしょう。

自分の時間を大切に扱っていますか?



■ 曖昧な予測が壁を作る

仕事でよくあるのが、予測の入った伝え方です。

「業務フローの文書を作成してください」と指示を受けた部下10名。

文章での詳細説明を詰め込んだ30ページのワード文書を作成するかもしれません。
組織の全体の業務フロー作成のために、インタビューをして回るかもしれません。
パワーポイントでアニメーションなどの機能を盛り込むことに膨大な時間をかけるかもしれません。

伝える人の本意が、「自分の業務を全体で共有すること」だった場合、ズレや無駄が発生します。

時間をかけて作って提出した後に、さらに編集や絞り込みの時間が必要になるでしょう。
的が外れて、費やした無駄な時間と労力にがっかりすることもあり得ます。
指示を出した上司は、思ったより時間が掛かりイライラと待つことになるかもしれません。

なんで早くそれを言ってくれなかったの!
このように、進捗やコミュニケーション上の感情に不具合が起こる可能性が高まります。


■ すべての人が違うということを知る

誤解や無駄な時間を排除するためには、人の捉え方は皆、違うことの認識と意識が必要です。
「違っている」ということからスタートすることで、お互いの不足情報を補うことができます。

指示や依頼を受けるときでも、相手の観点からの目的や意図が、どこにあるのかを常に考えます。
今、自分が考えていることとは違うかもしれないから確認してみようと考えることが大切です。
確認すべきことのポイントを掴むことで、ワンランク上のコミュニケーションができるようになるのです。
確認にもレベルがあります。その力を磨くことを目指しましょう。すべての始まりは違いの認識です。

上記の業務フロー作成の指示であれば、
目的:「部署の社員全員で共有し、個々の仕事と、全体の仕事の流れを把握し合うため」
内容:「自分の業務のフローをパワーポイントでフロー図を含めて2ページ内で作成してください」
期限:「金曜日の午前中までに提出をお願いします」

作成する人は、読み手が誰で、どういう目的で使われるのかを確認できるので、より的を射た内容を含められるでしょう。


■ 違うことを前提にするとラク&得

相手が自分と違うことを心得ておくと、相手も自分の意図を確認する必要があるだろうと察することができます。
自分の意図を相手が理解するには、どんな情報が必要だろうと考え、適切に伝える努力をすることが大切です。こうして、誤解や無駄な時間を削減することができるのです。

自分と相手の違う部分というのは、組織にとっては有効な材料です。
アイデアがほしいときに自分には思いつかなかった発想が得られることもあります。
自分では苦手と捉えていることが、相手にとって大得意なことかもしれません。

違うということを前提にすることで、相手の考え方や価値観を知ることができます。
違いを理解し合うことは、お互いの信頼関係を強固にしていくものなのです。
信頼が築かれれば、コミュニケーションはさらにスムーズになっていくでしょう。

違いに対するあなたの反応は、ポジティブですか?ネガティブですか?



■ 好奇心を阻害するもの

誰でも自分が正しいと思いたいものです。無意識にも正しいと思い込んでいることもあります。
意見でも考えでも、ひとつの決定したものがあると、それ以上興味を持ち探ることは必要なくなります。

これが好奇心を萎えさせてしまうのです。
ビジネス社会でも、常識やルールに沿わなければならないシーンはたくさんあります。
沿うことに慣れてくると、それが絶対で当たり前のものと捉えるようになるようです。
このことも、感情や思考が疑問視しなくなり、好奇心が起きなくなる要因になっていきます。


■ 好奇心はコミュニケーションのエネルギー源

相手に接するとき、どれくらい相手に対する好奇心を持てるかは、コミュニケーションの質を左右します。
いつのときも「知らない」から始めましょう。
先入観のない「知らない」が「知りたい」の源になるからです。

好奇心を働かせれば、あらゆる質問が浮かんでくるのではないでしょうか。
その質問の答えや反応の中には、相手についての情報が詰まっているものです。
自分で勝手に判断するよりも、ずっと精度の高い情報のはずです。

質問することによって、相手のことを理解したいと思っていることが相手に伝わります。
人は、自分のことに興味を持ってくれる人に対して、好感を抱き、心地よく感じると言われています。
答える機会は、知ってもらっているという安心感や信頼感を抱いてもらうことに繋がるのです。


■ 好奇心で共通項を見出せるOR学べる

相手の情報をより多く得ていくことで、相手と自分の共通点を見出せる確率も高まります。
違って当たり前の私たちは、何らかの共通項があると、相手に親近感を抱きやすいのです。

社長や上司と接することに緊張するという人は多いと思います。
実は同じ趣味を持っているとか、共通の知り合いがいることを知れたら、いつもの緊張感が少し和らぐのではないでしょうか。
いつも厳しい顔つきの先輩が、自分と同じお菓子が大好物なことを知れたら、何となく親近感が湧くのではないでしょうか。

たとえ、共通項が見つけられなくても、収穫はたくさんあるので心配はいりません。
相手の持つ意見や感覚は、自分にはないものでしょう。
それを知ることで、違った視点や価値観の存在に気付くことができます。
それが、自分にとって有益な情報、必要な知識に繋がることはとても多く、視野をジリッと広げることができるでしょう。


■ 好奇心の捻出方法

好奇心というのは、目に見えるものではないですよね、
どうすれば湧いてくるの?と疑問を抱く人もいるでしょう。

無理やり相手や環境に合わせて、闇雲に疑問や質問を捻出することはおすすしません。
そもそも本当の好奇心から出たものではない可能性が高く、自分を疲れさせてしまうでしょう。

好奇心とは、もっと純粋で、知りたいことが湧き解決することでエネルギーが満ちるものです。
まずは、自分の興味や関心ごとを意識して、好奇心回路を作り出しましょう。

何でもいいので没頭すること
いつもと違う行動をとること
リラックスすること
感情や直感に敏感になること

これらのことを楽しく行っていくなら、きっと多くの疑問が湧くでしょう。
こうして好奇心回路はできあがり、自然に「相手を知りたい」のコミュニケーションの中で、応用できるようになっていくでしょう。

自分のことにワクワクできていますか?



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<第2章:ビジネス意識>

【第1章】心構え

■ 効果を上げる前提
 ・ 先入観
 ・ ポジティブ
 ・ タイミング
 ・ 違いの理解
 ・ 好奇心

【第2章】ビジネス意識

日常との違い
 ・ 具体性
 ・ メリットの提供
 ・ 先読み
 ・ 整理
 ・ 確実性

【第3章】聴く

聴く能力
 ・ 姿勢
 ・ 観察
 ・ 相づち言葉
 ・ 論理的に聴く
 ・ 集中力

【第4章】伝える

伝える能力
 ・ 要点を絞る
 ・ 短く伝える
 ・ 伝える型
 ・ 相手視点
 ・ 言葉選び

【第5章」書く

書く能力
 ・ 準備する
 ・ 一瞬読解を目指す
 ・ 項目の確認
 ・ 箇条書きの工夫
 ・ 確認の徹底

【第6章】質問する

質問する能力
 ・ シミュレーション
 ・ 気付きを促す
 ・ 注意を促す
 ・ 質問で教える
 ・ 質問の種類と効果

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